保険の営業職に興味のある人も多いと思います。
保険の営業は本音とタテマエの世界だと思います。
もっとかみ砕くと、自分の気持ちをセーブする仕事なんです。
どいうことかと言うと、保険の営業はインセンティブの比重が大きい仕事なので大きな契約をいただければ実入りが大きくなります。
しかし、コンプライアンスや法律でガチガチ縛られている金融商品なので、お客様のことを考えて保険募集をしないといけない仕事でもあります。
なので自分とお客様の利益を常に天秤にかけながら働くという精神的に強くないと出来ない仕事です。
保険営業のタテマエ
保険営業をするということは保険業法や金融商品の法律などで厳密で決められていて、働く会社によってさらにルールを厳しく設定されています。
保険を販売することは、それぞれの顧客の利益を最大限に守り、利益の確保に努めなくてはいけません。
もっと簡単にいうと
コンビニやスーパーで商品を販売するように簡単に販売したらダメだよ。
もし、お客さんに不利益になるような販売をしたら法律的にも、会社的にも処罰されてしまいますよってことです。
それだけ、金融商品を扱うためには専門知識や経験が必要になるのです。
よって保険募集(保険営業のこと)をするためには、専門的な資格を保有して募集することになります。
具体的に募集をする方法
①お客様の収入、資産、家族構成、健康状態など一人一人の環境をしっかりお聞きして、不安やニーズを理解してもらう事が第一です。
②経済的にも、生活スタイルにもあった商品の提案が求められる
③保険商品への本人のご意向を確認する
④本当に提案した商品で良いのか、種類や金額を含めて理解し購入するか考えていただく時間を設ける
⑤最終的にご意向が変わっていなければ契約する
⑥定期的に商品の内容を再度説明すことや、生活環境が変わっていないかなど確認する。
ここで大事なことは、「必要のない商品は絶対に勧めてはいけません」
当たり前じゃんって思うかもしれませんが、世の中には不要な商品を売る事って多いと思います。
洋服を買いに行っても、このジャケットが新作で良くお似合いですよって言いますが
本当にその人にそのジャケットが必要なのか?
今着ているジャケットだけで充分なんじゃないか?
この人の給料でこのジャケット代は高いんじゃないか?
このジャケットを着ることによってこの人にメリットがあるのか?
などなど
考えて販売している人はいないですよね。
お客さんがジャケット見に来ました。
そこで販売員はジャケットを勧めよう。
なんでも良いから買って欲しいけど、出来れば高い服を買って欲しいなって思いますよね。
金融商品では、そのような販売をしたら即アウトです。
最悪の場合は、保険募集人廃業です。
運転免許を廃止されて、再度免許の交付を受けることが出来ない状態になります。
金融庁に氏名などが登録され、金融機関(保険会社含む)によるデータベースに登録され、金融機関での就職は困難になります。
お客さまを第一に考えて保険募集をする必要があります。
もちろん保険会社だけでなく証券会社や銀行にも求められています。
保険営業の本音
ここまで、金融商品を取り扱う上で注意すべきことや、守ることを話しましたが、実際はどうなのかを書いていきます。
保険募集ってこんな仕事です。
常に葛藤している社員さんは多いんじゃないかと思います。
お客さんの利益 対 自分の利益
これに尽きる仕事です。
ぶっちゃけてしまうと、保険が必要な人なんてほとんどいないと思います。
実際に保険を必要としている人は何かしらのトラブルを抱えています。
トラブルとは
〇モラルリスク
犯罪や犯罪に関わる人(反社会的勢力や詐欺師など)
〇健康リスク
保険が必要な人は、入院や死亡の可能性が極めて高い人
上記に該当する人は、保険が必要であったり利用したりするので本当に必要です。
現在はマイナス金利政策などにより、保険商品の金銭的な魅力は過去に比べれば大きく損なわれ、保険を利用した時点で、基本的に損が確定する商品です。
保険って安心みたいなイメージですが、基本はギャンブルみたいな商品です。
加入して掛ける価格より、貰う価格が多ければ勝ちなので、病気やケガをして沢山給付金をもらうか、掛け終わる前に亡くなるかしか勝ち目がありません。
そんな商品を自分から望んで欲しい人なんてそういません。
なので、大前提のお客さんが欲しい商品を募集することが難しいです。
保険の募集人は保険を販売することが仕事で販売しないと出世もインセンティブも貰えませんので、販売します。
多くの保険会社で働く営業職の人は外資含めてインセンティブ(歩合)が給与の半分以上を支えています。
特に外資系では、基本給が年々減っていくシステムを取っている会社も多く、契約が取れないと給与は雀の涙です。
自分の生活の為に保険をいっぱい売らないといけません。
インセンティブがなかったり、比率が小さい会社もあります。
銀行系の金融機関だと歩合はありませんが、ボーナス査定に昇進査定に関わるので販売手数料を稼がないといけません。
この状況の中で、真に必要とする保険だけを販売すると思いますか?
答えはNOですね。
もちろん、お客様のことだけを考えて販売しかしたくない人もいるでしょう。
そういう人はすぐに辞めます。
精神的に持たないですからね。
ここからが重要なところです。
自分の利益を考えながら、きっちり各ルールをクリアする募集が必要です。
あくまでルールを守ったうえで、保険を販売することがマストなので、資金的に余裕のある人に必要性(ニーズは多少つくる)を伝えて納得してもらって契約するという流れになります。
もちろんお客様が理解して納得して購入していれば問題ないわけですからね。
この作業を繰り返して自分の利益を増やしていくお仕事です。
勧めている保険が本当に必要かではなく、最前線で販売している営業の本年は必要に思って貰うが実情でしょうね。
なので良く保険の販売はグレーだと言われるんでしょうね。
これを保険販売でやったら終わります
実際に保険募集でこんな事やると、さすがにルール違反なのでグレーではなく黒になることをご紹介します。
グレーゾーンを攻めて高給取りの保険の販売員は多くいます。
やっちゃダメなことはあります。
〇告知妨害行為
これは健康告知の時に真実を告知させない行為です。
なぜするかと言うと、健康状態によって保険が成立しないので募集人の成績にならないからです。
〇お客さんの経済力に合わない商品の強契約
収入や資金力以上の保険料の保険を契約すると、支払いが出来ませんので「適合性の原理」という基本から外れてしまいます。
〇虚偽の説明およびメリットしか説明しない
ウソついたらもちろんアウトです。というより詐欺です。
メリットのみを伝えることも金商品を扱う上でアウトです。
〇特別利益の供与と保険料の立て替え
保険に加入してもらう代わりに、金券や高価な景品を渡してはいけないですし、保険料を代わりに払ったり、掛けオーバー分を補填する約束をするなどしたら、完全にアウトです。
中には保険に入るから良い景品が欲しいなんていう人もいますが、法律上で渡したらいけないのできっちり断る必要があります。
などなど
こういう当たり前のルールがあり、これらに該当すると生命保険募集人資格の廃業や最悪の場合、刑事罰を受けます。
詐欺罪に問われて前科までついてしまう訳ですね。
社会的に責任のある仕事なので、モラルが求められる仕事です。
営業をする上で必要な資格
保険営業に関わる資格はたくさん有ります。
まず生命保険募集人の資格は必須です。
この資格は運転免許と同じで持っていないと販売資格が得られません。
資格の難易度はかなり低く、高校生でも2時間くらい勉強したら受かるんじゃないですかね。
上位資格もあります
・生命保険募集人「専門課程」
・生命保険募集人「大学課程」
があり必須としている保険会社もあります。
ファイナンシャルプランナー
こちらは1級から3級まであり2級くらいは基本的に持っている人が多いです。
1級まで持っていれば自分で独立して保険の代理店を開く人もいます。
年金アドバイザー・相続アドバイザー
保険販売の話法の一つの年金問題や、相続問題などを専門知識を持って話をすることができます。
他にも必須ではないですが、保険募集をするためには専門知識を高めて、いろいろな角度からニーズを喚起して募集につなげる努力をする必要があります。
裏を返せば専門知識で営業してこられると信用しがちですが、気を付けないといけませんね。
最後に契約するかどうかは、自分の判断で自署すれば基本的に責任は自分に来ますからね。
消費者センターに駆け込んだところで、サインしたんでしょって言われて、なんの解決もしないなんて事例も聞いた事があります。
裁判を起こしても良いですが、企業相手に本気で勝負するには相当な資金と精神力が必要になるので、結果的に損失を被るだけになりかねません。
最後に保険に思うこと
私もなんだかんだ現場で5年以上保険販売に携わりましたが、実際に喜んでいただく事も多かったですが本音を言えば営業社員から購入するよりもネットで自分に本当にあった保険を買うべきだし、価格もいろいろ精査すべきなのになと思う事も多かったと思います。
私は保険会社に勤務しているわけでないので、いろんな保険会社の商品を扱っていましたが、なんだかんだネット申し込みの商品のほうがよかったりします。
私は金融機関の勤務なので、保険だけでなく株式や投資信託や他の金融商品全般を扱っているので保険の良さだけを伝える営業ではなかったですが、保険会社で働く人は自社商品だけで勝負するのって大変だと思います。
真にお客さんの事を考えるなら、他社商品や保険以外のお金の考え方を提案できる仕組みがない限りグレーな仕事であることは変わらないでしょうね。
これからの時代は、購入する側が自分で調べて知識や経験を積んで、どんなものでも自己責任で購入する時代になっています。
そこを理解して、販売員と対等に会話して決定すべきでしょう。
これからの時代では情報収集は金融商品に限らず、とりあえず比較サイトやまとめサイトも発達しているので必ずチェックしましょう。
ネット上でも多くの情報を収集できるコンテンツがたくさんあるので、人の話を信じすぎず色んな角度から情報を精査して公開のない保険選びをしましょう。
また販売する側も目先の利益よりも継続して働くような仕事の仕方が大事な時代なのかなと思った私でした。
自己紹介
ニックネーム:ぼむ
年齢 :30代半ば
性別 :男性
転職を三回して、不動産、アパレル、金融関係を経験して、今なおサラリーマンをしながら日々資産形成や副業、支出を減らす方法を考えながらブログを書いています。
私が学んだことを、たくさんの人に広げるためにブログを始めたおせっかいな人です。